※ 2021年11月の添削教室は、お休みいたします。
第7回(2021年10月)
自由課題
「先生のコメントを受けて」 杉浦 勝
フォト森下講座欠席の為7月31日飯田橋周辺の写真に先生が「Pinterest」にコメントを下さいました。
投稿写真「光遊(s-IMGP4742-1)」への先生のコメント
『 水面に映る模様はいつ見てもシャッターを押したくなりますね。もっと部分に寄っても良かったと思います。』
コメントを受けて杉浦なりにトリミングしてみました。
「IMGP4742-2」と「IMGP4742-3」2案作ってみました。
如何でしょうか??
また、この写真では無理ですか??
【鷹野先生のコメント】
緑を生かした(4742-2)と白と黒を生かした(4742-3)いずれもいいと思います。
このようなフレーミングが撮影時にできたらよかったですね。
「今、何を面白いと感じているのか」を自問しながら撮影していると様々なフレーミングも自然に生まれたと思います。
【私ならどう撮るか】
ヨコイチもあったと思いますのでご参照ください。
課題テーマ「花のある風景」
「前ボケ・後ボケをいれて」 志村 光永
撮影場所
亀戸天神
コメント
同じ画面のなかに、前ボケ、後ろボケをいれて
梅の花を撮りたかったのですが、全部ボケてしまいました(笑)
AFで撮っています。どうすればいでしょうか?
【鷹野先生のコメント】
梅にもしっかりとピントが合っていますよ。全部がボケているわけではありませんので、ご安心ください。
周辺に余白をとったフレーム効果と前ボケをうまく生かしていますね。覗き込んでいる感じも伝わってきますし、梅の背景にある建物の色も効いています。これはこれでとてもいい写真ですよ。
【私ならどう撮るか】
もし私ならこの写真を撮影した後に、もう少し周辺部分を切り詰めてより梅の存在感を際だたせるフレーミングでも撮影したと思います。ご参照ください。
第6回(2021年9月)
課題テーマ「階段」
「急傾斜の階段の迫力を伝えたい」 井野 一義
和歌山熊野の神倉神社にある階段は、私が見た中で最も急な階段でした。
源頼朝が寄進したと伝えられる538段の石段ですが、「お燈まつり」では松明を持った人々が一斉に駆け下りるとのことです。
ここを!と信じられない思いで、ゆっくり登りました。
最大傾斜45度の、壁のような迫力を伝えたいと撮影しましたが、いかがでしょうか?
素直に正面から撮りました。
《データ》 1/30秒・f/8・ISO500・補正 -0.33 EV ・16 mm・WB 曇り
横位置にして周りの木も入れました。
《データ》1/30秒・f/8・ISO 640・補正 -0.67EV・16 mm・WB 晴れ
石段が折れ曲がっているところを撮りました。
《データ》1/30秒・ f/8・ISO 640・補正 0.33 EV・11 mm・WB 自動
【鷹野先生のコメント】
知りませんでした、こんなところがあったなんて、世界遺産なんですね!
なんとも荒々しい石が積み上げられた階段。今の時代に手すりや柵もないのは驚きですが「簡単に近づけない場所」があってもいいですよね、聖域なのですから。
【写真1】 石の階段の険しさや周辺の状況もよくわかるいい写真ですね。ただもう少し傾斜のきつさを伝えられたら、と思いました。
【写真2】 右横にある木々がいいですね。左の光が漏れているのも捨てがたい、ということでこの写真になったと思いますが、あれもこれもと中途半端な写真になってしまいました。
【写真3】 これが一番傾斜がきついとわかる写真ですが、もう少し石に寄って撮るとより迫力が出て強い印象の写真になりましたね。
【私ならどう撮るか】
井野さんの撮影したこの状況でこの石階段を撮るなら・・・。
1 広角で縦でも横でもなるべく石に近づいて撮影する → 写真に迫力を与えたい。
2 部分を切り取るように望遠でも狙う → 少しでも新鮮なフレーミングで写真を見る人に強く訴えたい。
3 できるだけ下からと上からの両方から狙って撮影する → 常により良いアングルを探したい。
写真2の3パターンのトリミングをご参照ください。
●トリミング1 画面左の光を入れると視線がひきつけられすぎると思ったので、あえてトリミングして右の木の存在感をもっと感じさせようという狙いです。
●トリミング2 縦位置にするのもいいですね。
●トリミング3 光を生かしての縦位置トリミングをと思ったのですが・・・。光が階段の上方向(右上奥)にあれば視線をうまく誘導してくれたのですが、この位置では視線がこちらに引き寄せられてしまい、いささか散漫になってしまう気もしてきました、難しいところです。
写真3 とてもいいアングルなのですが私は同じアングルで望遠でも狙いますね。どんな写真になるか、皆さんも想像してみてください。
写真3 モノクロに変換して少しコントラストを上げてみました。
港区愛宕神社の男坂を下から。
広角でなるべく寄って。
Aモード F5.6 17㎜ −0.8 ISO400 WBオート
港区愛宕神社の男坂を上から。
Aモード F6.7 24㎜ −0.8 ISO200 WBオート
港区愛宕神社の男坂を上から。
望遠で坂下の人物にピントを合わせて階段はボカして見せました。
Aモード F3.5 110㎜ −0.5 ISO200 WBオート
第5回(2021年8月)
「太陽光を上手に撮りたい」 久保賢吾
《データ》
2020.11.28 豊洲撮影会で撮影
絞り優先・f/11・ISO オート(200)・補正-1.7・WB晴天
《データ》
2021.2.27 大島~砂町撮影会で撮影
絞り優先・f/13・ISOオート(200)・補正+1.3・WB晴天
太陽光を印象的に撮りたいのですが、なかなか思うように撮れません。
カメラ設定の問題でしょうかそれとも、アングル・位置などその他の問題でしょうか。
ご指導よろしくお願いいたします。
【鷹野先生のコメント】
太陽の光を上手く撮りたい、ということですが2点共に太陽を全部ではなく一部を見せていますね。当然ながら逆光になるため写真全体がシルエットになります。それでも上手く、面白く撮るにはどうしたらいいのか、ということですね。
【写真1】は画面右の超高層マンションに少し隠れた太陽です。極端なマイナス補正をして空と雲が劇的になりました。晴海大橋の橋脚に当たっている光もいいですね。しかしながらどこか散漫な印象になるのはフレーミングがいささか中途半端だったからではないでしょうか?
【写真2】 直線で構成された力強い橋が太陽の光でシルエットになり、さらに強さを増していますね。とてもいい写真ですよね。1よりもこちらの方が印象深くなっているのはフレーミングに迷いがないからでしょう。
何れにしても太陽を撮るときにはなるべく他の要素を排除して撮ると印象的な写真になるように思います。
【私ならどう撮るか】
私なら太陽を隠さずに画面中央に持ってきて、橋脚に当たっている光をもっと活かした画面構成にします。
被写体は太陽と空と雲にシルエットで橋だけを見せ、それ以外はなるべく画面から排除するでしょう。
久保さんの写真を元にした2種類のトリミングもご参照ください。
【トリミング1】は、縦位置にして太陽と空を左上だけにしてあとはシルエットと水面を。
【トリミング2】は、太陽と空とマンションの一部のみで構成し、露出を少しアンダーに補正することで空を際立たせました。
小径に降り注ぐ光があまりに気持ちよくて反射的に撮影しました。
Aモード、F4.5 17㎜、WBオート、ISO400
ライン川の朝の光、WBを日陰にすることで少し赤みを加え、露出もアンダーにして空と教会などの建物と川面をより印象的になるように。
Aモード、F8 70㎜、−1.3 WB日陰、ISO400
上高地の散歩道で見上げた太陽。マイナス補正で空の青と緑を濃く、もちろん太陽もよりくっきりとさせるためです。
Aモード、F6.7 17㎜、−0.7 WBオート、ISO400
豊洲ぐるり公園の気持ち良さを太陽の光で感じてもらおうと思いました。
Aモード、F8 24㎜、−0.7 WBオート、ISO400
第4回(2021年7月)
「紫陽花と観覧車の撮影について」 杉浦 勝
〈撮影時期〉 5月31日、
〈撮影時期〉 青海駅の海側で観覧車をバックに紫陽花を撮影
〈使用カメラ〉 ソニーα7Ⅱ
《コメント》
観覧車のボケがなくクリアーで良いと思います。
《データ》
キヤノンDT 24-85mm f3.5~4.5 ・f3.5・24mm・ISO=200・1/4000sec・WB=オート・露出補正なし
《コメント》
観覧車のボケすぎてうるさくないですか。
《データ》
Micro-NIKKOR 55mm f2.8・f2.8・55mm・ISO=200・1/8000sec・WB=オート・現像時に補正+0.88EV
《コメント》
観覧車のボケすぎてうるさくないですか。
《データ》
キヤノンDT 24-85mm・f3.5~4.5・f3.5・24mm・ISO=100・1/1000sec・WB=オート・露出補正なし
【鷹野先生のコメント】
お尋ねのボカシの程度に関してですが、それは杉浦さんの狙いがどこにあるのかによって変わってきます。
写真1 紫陽花と観覧車をほぼ同じように見せたいということなら、両方にピントが合っていて観覧車もボケていない、これでいいでしょう。
写真2 メインの被写体は紫陽花で、背景にボケてはいても観覧車もしっかりとわかります。本人のコメントにある「ボケすぎてうるさくないですか」ということですが、存在感がありすぎるということでしょうか。悪いことではないと思いますが。
写真3 街灯は別に邪魔とも思いませんが、少しアングルを変えてあげれば簡単に画面から消せたと思います。
この3枚の中では写真2が一番訴えるものがあるように思います。
1、3は、きれいに写ってはいますがいささか中途半端で今ひとつです。
【私ならどう撮るか】
メインの被写体はあくまで紫陽花であることを忘れてはいけません。
まずは写真2の狙いで縦位置で撮ります。トリミングをご参照ください。
ただしレンズはもっと広角にして画面3分の2くらいが紫陽花でいっぱいになるようにします。その際観覧車の見え方は色々変えて撮るでしょう。
もちろん横位置でも同じように撮りますが、観覧車の見え方が少なくなる分、空を生かした写真を狙うでしょう。
杉浦さんは紫陽花と観覧車を画面にうまく収めようとしたためか結果的に印象の薄い写真になっています。原因は紫陽花にもう一つ寄りきれていないから。
写真は広角で被写体に寄って撮ることである種の力強さが生まれ、見るものに迫力を感じさせてくれることがあるのです。
「富士山の撮り方について」 井野 一義
〈撮影日〉 202.1.5.23
《撮影場所〉 静岡県の朝霧高原
〈コメント〉 静岡県の朝霧高原へ行ったときに、富士山が綺麗に見えたので写真を撮りました。
ただ、ちょっと物足りない気がします。どんな撮り方をしたら面白くなるでしょうか。
〈使用カメラ・レンズ〉 Canon EOS 7D Mark II、 EF24-105mm f/4L IS USM
《コメント》
雲が流れて、富士山が見えたので全体を明るめに撮ってみました。
草原に牛でも居たら良いのにと思いつつ。
《データ》
f/8・1/800s・ISO 100・補正 0.33EV・24㎜・WBオート
《コメント》
富士山を大きめに撮ってみました。手前左下にある木の形が良かったのですが、遠すぎますね。
《データ》
f/8・1/640s・ISO 100・補正 - 0.33EV・82㎜・WB 晴れ
《コメント》
もう少し何かをと考え、手前の草を入れて撮ってみました。
富士山が雲の上に浮いているようになったのと、草で立体感が出た感じがします。
《データ》
f/8・1/640s・ISO 100・補正 - 0.33EV・35㎜・WB 晴れ
【鷹野先生のコメント】
春の日差しの中で、富士山が気持ち良さそうに雲に包まれています。
コメントにあるように井野さんご自身が「ちょっと物足りない」という自覚をされています。おそらく「朝霧高原に行ったのでせっかくだから何か撮影しようと思った。絵になる被写体は富士山、でもそれ以外に何がある、さてどうしよう・・・」というのがこの3枚に現れています。広角から望遠へというアプローチで撮影されていますが、残念ながらもうひとつ訴えかけてくるものはありませんでした。
写真1 露出を明るめにしてより春の風景らしくということなのでしょうが、その狙いはいいのですが・・・。あえて太陽を入れて撮っても面白かったかなとも思います。
写真2 望遠で富士山を大きく撮っています。雲もいい感じです。確かに画面左下の木が面白いのですがどうにも小さすぎましたね。この木にもっと寄れなかったのでしょうか?この木が画面中央下あたりにある程度の大きさであると面白い写真になりましたね。
写真3 確かに遠近感は出ましたが、もう少し何か・・・ですよね。
【私ならどう撮るか】
この状況なら富士山と雲をどう見せるかに集中します。井野さんの写真をトリミングしてみました。
写真1-1-1 富士山と雲が目立つように周辺をトリミングして露出をアンダーにしました。雲の立体感を出したかったのと富士山の濃度を高めたかったからです。
写真1-1-2 さらに画面下をトリミングして富士山と雲だけにしました。
写真1-1-3 縦位置もありですね。
どうしても周辺を入れて広がりも出したい、という場合にはやはり前景をどうするかですね。例えば鳥や木、虫や人などを前景にして背景に富士山という構図になればメリハリができて写真として成立したでしょう。しかしそんなものがあれば井野さんは撮っていたでしょうけどね・・・。
第3回(2021年6月)
『秩父の氷柱』 志村 光永
【データ】 カメラ CANON
レンズ 28mm−300mm
青みがかったほう(写真1)は、ホワイトバランスを蛍光灯にしました
もう一枚(写真2)はホワイトバランスはAUTOです。
どちらの方がいいでしょうか?
自然ないろはAUTOで撮ったほうです。
【鷹野先生のコメント】
迫力ある氷柱の風景ですね。同じ場所を同じアングルで、画面下に川を入れた比較的ノーマルな色調(ホワイトバランス・オート)と、川を入れずに少し切り詰めたフレーミングで色調をブルーにした(ホワイトバランス・蛍光灯)2点の比較ですね。氷柱だけではなく枯れ木もいいアクセントになっていますね。
どちらの色調がいいかという正解はありません。それは志村さんの好みでいいのですから。ただそこを悩まれているのですよね・・・。
ブルーの方がその色調からくる印象で冷たさをより感じ、きれいだなあと思います。しかしながらきれいに見えるだけに氷柱のもつ迫力が若干削がれてしまうようにも感じます。きれいか迫力か、あるいは・・・。
構図やフレーミングなど写真の完成度としては、川を入れたノーマルな色調の方がいいですね。
【私ならどう撮るか】
私ならノーマルな色調で5点の組み写真で見せます。
まず1枚目には志村さんのように川を入れて全体を見せます。それから氷柱の迫力ある部分を3ヶ所と木をメインのカットで構成して、この氷柱のある風景の迫力や造形的な面白さを伝えたいと思います。トリミング画像(1〜4)をご参照ください。
ご参考までに、1点だけでという場合にはモノクロもありますね。添削5もご覧ください。
第2回(2021年5月)
『木場公園内』 松本 勝
Canon EOS 60DI・ f/6.3オート・1/320秒 ・補正なし・ISO 100・38ミリ・WBオート・2021年3月撮影・木場公園
桜を見に木場公園に出かけました。
光を意識してこのアングルで撮った一枚ですが、思ったような写真になりませんでした。
【鷹野先生のコメント】
面白いアングルを見つけましたね。背景に満開の桜、その手前の女性が撮影しているのもおそらく桜でしょう。画面の中にある、エンジ、ミドリ、薄いピンクの色の調和も心地いですよね。画面左右に大きく取り込んだ生垣も迫力があっていいのですが、左の光が当たっている部分に視線が吸い寄せられてしまい、画面の奥へと視線がまっすぐに向かわないのです。
【私ならどう撮るか】
面白いアングルを見つけましたね。背景に満開の桜、その手前の女性が撮影しているのもおそらく桜でしょう。画面の中にある、エンジ、ミドリ、薄いピンクの色の調和も心地いですよね。画面左右に大きく取り込んだ生垣も迫力があっていいのですが、左の光が当たっている部分に視線が吸い寄せられてしまい、画面の奥へと視線がまっすぐに向かわないのです。
『 ガード下 』 久保 賢吾
Nikon D750・24-120ミリ・F4.5オート・:1/20秒・ISO 800・-2.0補正・WB晴天・2019年12月・有楽町・新橋駅間の高架下
天井はコンクリートで、横壁は新しい煉瓦になっていますが、街灯の当たる部分は昔のままの赤煉瓦積みです。この、古い高架橋の赤煉瓦積みを主題にして撮りました。
奥の高架外との明暗差が大きいので露出で、高架下のお店を入れるか否で構図を変えながら、横位置と縦位置両方撮りました。
露出補正は、奥が白トビをしないようにマイナス補正を極端に大きくしたのと、高架下のお店がわかるような構図の方がよかったでしょうか。
【鷹野先生のコメント】
赤レンガの高架橋は明治時代からある貴重な遺構です。その特徴をどう写真にするかですね。街灯が照らし出す昔の赤レンガの傷み具合がこの場所に流れた時間を伝えてくれます。
お店の様子をどこまで見せるか? 見える撮り方とそうでない両方を撮っておき判断は後でするがいいと思います。久保さんの撮った横位置の写真も見たかったですね。撮れるときはできるだけ粘ってあれこれ試してください。もう少し店と店内の人が見えていても良かったかなと私は思います。
マイナス補正したことで白トビを抑えたのはいいと思います。
【私ならどう撮るか】
久保さんは抑えましたが、私は逆にマイナス補正しないで光が当たっている部分を思い切り白くとばして撮影してみようと思います。主として見せたい時代を感じさせる赤レンガ部分さえしっかり見えて入ればトンネルの向こうは白くとばして光が溢れている状態もいいかなと思うからです。
標識などは入れないでお店の様子はもう少し取り込み、人物はもっと小さくして撮影するでしょう。
久保さんは1/20秒ですがもっとスローシャッターでも撮影するでしょう。手持ちでもいいですが三脚や一脚を使って(通行の邪魔にならないように短時間で)の撮影も面白いと思います。
参考までに画像処理で露出全体を明るくした画像と比較してみてください。
第1回(2021年4月)
『夕日を写す雲』 井野 一義
Canon EOS 7D Mark II・11-16mm・ f/2.8オート・1/320秒 ・+0.67 EV補正・ISO 100・WBオート・2020年4月撮影・豊洲
夕焼けになりそうだったので、ららぽーと豊洲まで夕日を撮りに行きました。
夕焼けだけではなく青い空も広く入れたかったため、広角のレンズ(35mm換算で17.6mm)を使用しました。
空を広く入れたかったため、ビルが歪んでしまいましたが、違和感がありますでしょうか?
【鷹野先生のコメント】
広角レンズで水平線をグッと下げて、空を大きく取り込んだ構図がいいですね。青い空を広く入れたことで夕日に照らされた雲も生きて、この時間独特の空気感が伝わってきます。右側のビル群のシルエットも「都会の夕暮れ」を感じさせてくれました。気にされているビルの歪みは特段気になりませんよ。広角で撮ればこうなるのは必然ですから。
【私ならどう撮るか】
井野さんのようにまずは広角レンズで狙い、空と水面の割合を少しずつ変えて撮影したと思います。(水平線を徐々に上に持っていく)水平線を上に持ってきたときには運河の水面に映り込ませて、夕暮れの空を取り込むことを考えます。ビル群はいい感じに写り込んでくれるでしょうが、空の青と雲がどう映り込むか、楽しみです。風が強いと水面が波立ってうまく映らないでしょうが、凪いでいたらきっちり写り込んでくれるのではないでしょうか。
次に、せっかく左に怪しい雲があるのですからこれをなんとかしたいと考えます。望遠で縦イチ横イチ様々に狙いますね。
またあと30分もするとビル群の灯が灯り始めるのでまた違った印象になるので、ぜひ狙っておきたいところです。少し先を予想することでシャッターチャンスを作り出すということです。
『春を待つ』 志村 光永
キャノン・18-300ミリ・F8オート・:1/250秒・ISO:400・WB太陽光・2020年2月・亀戸天神
神社と梅を撮りましたが、背景に空をいれたほうが良かったと思うのですが、どうでしょうか?
【鷹野先生のコメント】
梅が見事に咲いた亀戸天神を太鼓橋(女橋)と本殿を入れて見せてくれました。わずかにある紅梅もいいですね。おそらく男橋から撮影したと思われますが、なるべくたくさんの梅を取り込もうとしたため高いアングルが欲しかったからか、あるいは参道を歩いているときに正面に見えたアングルを素直に撮影したのか・・・。いずれにしてもほぼ左右対称の構図なので安定感を感じさせ、すぐそこまで来ている春がしっかりととらえたいい写真です。
背景に空を入れたほうがよかっただろうか?とのことですが確かに青空が入ると春らしさが強調されたでしょうね。どっちがいいのか迷ったら、青空を入れた写真も撮影しておいてあとで選択するというのがいいと思います。しかしながら帰ってセレクトしているときに「あー青空も入れておけばよかったなあ」と気づく時もありますよね。「しまったなあ」と思ったことは次回の撮影に生かしていただけたらと思います。
【私ならどう撮るか】
志村さんのアングルでも撮影するでしょうし、女橋の近くで梅を下から広角レンズで狙うでしょうね。白梅の向こうに青空を持ってくると白梅の白さがより目立つかなと思います。あとは背景や点景で入る人物にも気を配りながら、いい瞬間がくるのをひたすら待つでしょう。